◆須坂の町を訪れると、豪壮な土蔵造りや大壁造りの町家が軒を連ねている。 その軒数は蔵の町倉敷(岡山県)よりはるかに多いし、またその数2千といわれる喜多方(福島県)より内容が豊富である。 この蔵造りの多くは、明治初期から昭和初めにかけてつくられたが、それは繁栄した製糸業の賜ものであった。
古いままの土壁、綺麗に化粧直しをした白壁。 白壁蔵造り風の住宅が軒を並べる通りもあった。
◆北信濃随一の豪商で須坂藩のご用達を務めた田中本家は、江戸時代中期の創業である。
100m四方を土蔵が取り囲む豪壮な屋敷で、その一部を博物館として開館し、家伝の書画骨董など貴重な所蔵品が展示されている。また須坂藩主が食したと言われる「山鳥の雑煮」も味わえる。