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富山県婦負郡八尾町

 「哀調おびた胡弓の音につれて、唄い、踊る風の盆」
 越中八尾には300年の歴史を持つ民謡「おわら風の盆」がある。 「盆には帰ります」と八尾の人たちは誰もが言うそうである。 揃いのはっぴやゆかた姿に編笠をつけ、三味線、太鼓、胡弓の音につれて唄い、踊り、夜の白むまで町内を流し歩く。
 出稼ぎの人たちが持ち帰った「はいや節」が、変化したのが「おわら節」といわれているが、「佐渡おけさ」と似通ったところが多い。 もとは、庶民の戯れ唄で町を練り歩いていたようである。 台風の季節、210日の厄日に豊穣を祈る風の盆が、おわら風の盆に代わったと言われている。
 9月1日から3日までの「おわら風の盆」の11日前から、毎晩練習を兼ねて町内の辻々から哀愁に満ちたおわら節が聞こえ、八尾の人々は自らの気持ちを盛り上げて、本番の3日間で燃焼するらしい。

 
井田川の河岸段丘の上にできた八尾は、石垣と坂道の多い町である。
かつては飛騨往還を行き交う物資の中継ぎ所で、富山藩の台所と呼ばれるほど栄えてきた。 旅籠や酒屋などが軒を並べ、遊郭もできた。 その当時の風景を今も残す諏訪町は「日本の道百選」に取り上げられ、千本格子の続く道である。

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