<観海楼>

 坂越浦は、江戸時代には、千種川の内海航路の

中継地として重要な役割を占め、瀬戸内海有数の廻船業地となった。

旧坂越浦会所は、大道が坂越港側へ出たところに位置し、

町並みの中心にあって行政や商業を司る村会所として

建てられ、同時に赤穂藩の茶屋としての

役割ももっており、二階には「観海楼」と名づけられた

藩主専用の部屋が設けられていた。この「観海楼」からは、

名のとおり海側への眺望が秀逸である。
 

<生島の船倉>

生島は坂越浦に浮かぶ島で、秦河勝がこの島に

上陸されたとされ、墓所が築かれて以来神地として

入らずの森となり、原生林に覆われた国指定天然記念物の島である。

その生島には、三百余年の伝統行事である船まつりの渡御の

お旅所があり、祭りに用いられる和船が格納されている。

船祭りは、毎年10月の第2日曜日に行われ、瀬戸内三大船祭りの

一つに数えられ、無形民族文化財の指定を受けている。

<妙見寺観音堂>

妙見寺は、8世紀の中頃に行基菩薩が

開山したと伝えられ、小学校跡の展望公園から

山道を15分ほど登ると、京都清水寺の舞台を

思わせる造りの観音堂にたどり着く。 

この観音堂からの坂越浦の眺めは、

また素晴らしいものである。