夕立の雨宿り 

 町並みをなす建物は、二階が少し迫り出した出梁(だしばり)造りで、格子戸を連ねている。 屋根の勾配が緩やかなのは、元が板葺きだったことを物語っている。
 雨が降っても開けっ放しにしておかなければならない旅籠では、二階の庇も相当長くとってあるにもかかわらず、一階にも板庇が取り付けられている。 その、長くのびた軒の小屋根((庇(ひさし))をおさえた猿頭(さるがしら)と呼ばれるサン木は格子やしとみ戸とよく調和して他においてはみられない深い味わいをかもし出しているのが奈良井宿の特徴でもある。

 
猿頭の庇




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