犬山の車山は、曳山の形態では、「屋台」に属し、さらに人形を有することから「人形屋台」に類別することができ、三層式の屋台の中では、起源がもっとも古いものと言われています。このため、「犬山式人形屋台」と独立の分類をなす場合もあります。
 犬山の車山の構造をみると、名古屋東照宮祭の車山と、よく似た構造を示していますが、名古屋東照宮祭の車山が二層であるのに対して、犬山のそれは三層へと独自の発展をし、その影響を受けつつも単なる模倣には終わってはいないことがうかがえます。
 また車山の上で楽曲に合わせて舞をみせるからくり人形も、名古屋系統の影響を強く受けています。あらゆる面で、車山の上で舞う人形や、その他の車山に付属する品々の制作や修理には、名古屋の人形師や職人達の手に支えられるところがありましたが、これは名古屋付近の曳山の創始が名古屋東照宮祭の車山に始まるといわれることから、その名古屋の車山を支えた職人達に依拠したことにもよりますが、一面では、犬山の町民たちが、より華麗な車山の建造を望み、名古屋の祭礼の車山と華やかさを競ったことの反映でもあろうと言われています。犬山の付家老成瀬氏の城下町として発展してきたことも、そうした意識を形成する背景となったかもしれません。
 車山は中本町の「どんでん館」に、からくり人形は、お城の傍の「からくり館」で見ることができ、犬山文化史料館には文化財として展示されています。


 お城から本町通りを南へ、練屋町・魚屋町界隈には、城下町の風情を十分に感じられる町並みが残っています。 すぐ近くを通る国道21号線の雑踏から思うと、隔離された別の世界に迷い込んだような感じのする静かな町です。



「厳骨屋」古い家屋のまま130年に渡って作り続けた犬山名物の「げんこつ飴」を売るお店


甘さをおさえた懐かしい味のういろうを売る「大野屋」
黒砂糖風味のういろうが、私のお勧め