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 室津に近づくと七曲の海岸線から、キラキラと光る凪いだ海が見える。
 深く入り込んだ入り江の室津は、外海がどんなに荒れていても、港の中は穏やからしい。古くから天然の良港として知られた室津は、瀬戸内を行く西国大名の参勤交代で、海の宿駅として多いに栄えた港でもあった。 
 室津は、遊女発祥の地とも言われ、言いだしっぺは、井原西鶴だとも言われていますが、西鶴が室津に来たという証拠は見つかっていません。街のあちこちに遊女にまつわる伝説が伝わっていて、木曽義仲の側室であった友君は、戦いを嫌って室津に逃れ、遊女となったが、法然上人の説法により仏門に帰依したと言われています。
 はりまシーサイドロードから反れて、室津の町へと降りてゆくと、魚師町特有の狭い道ではあるが、石が敷詰められて美観が保たれた町並みがあり、家の屋根越しにキラキラと光る海が広がっていた。
 日曜日なので漁も休みなのか人通りも殆どなく、時折行きかう車は、私と同じ観光客のようである。



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