赤レンガ倉庫群
 
 
「れんが」 って日本語?
 
れんがはレンガと書かれることもありますが、外来語なんでしょうか。
イギリスやアメリカなどの英語を使う国では、れんがのことをブリックといいます。また、れんがを漢字で書くと煉瓦となるのですが、中国では土坏子(トゥピーズ)や摶(セン)とよばれています。実は、煉瓦という呼び名は、明治時代の人々が考え出した日本語なのです。煉は「ねりあげる」、「きたえる」という意味があり「火で焼き上げて強くした瓦」ということで煉瓦という言葉が生まれたらしいのです。 ですか「られんが」はれっきとした日本語なのです。

 
れんが が出来るまで
 
@《土を練る》
赤レンガの材料となる粘土は、田の下に埋まっている床土などが使われ、その土と山砂を混ぜ合わせて作ります。また粘土だけだとあまりにも粘り気が強すぎて、焼き上げた時の縮み方が大きすぎるので、これを抑えるために粘土に山砂を混ぜ合わせます。

A《形を作る》
手作業の場合は、木型枠に丸めた粘土をたたき込み、型枠からはみ出た余分な粘土を板で切り取って煉瓦の形に整えます。機械による場合は、機械からお菓子の羊羹のように押し出されてくる粘土を、ピアノ線で次々に切断して形を作ります。現在、煉瓦の基本形は、210×100×60mmに統一されていて「おなま」と呼ばれ、その横半分の大きさが「半枡」、縦半分のものが「羊羹」と呼ばれるなど、煉瓦にはその形ごとに様様な名前が付けられています。

B《乾燥と焼成》
形が整うと次は煉瓦を天日で干すか、乾燥室で乾かします。古代エジプトなどの雨の少ない砂漠地帯では、天日で干しただけの日干レンガが盛んに使われましたが、文明の発達と共に、乾燥させてさらに焼き上げ、雨や風に強く硬くて長持ちする焼成レンガが、広く使わるようになりました。

 
れんがを焼く窯
 
煉瓦を焼く一番簡単な方法は、窯を使わず積み上げた生地の上に草木をかぶせて火をつけ、直火で焼き上げる野焼き法があります。しかしこの方法では温度が600度程度しか上がらず、焼きむらが出来てしまいます。もう少し高い温度で焼きむらを無くすためにダルマ窯が用いられました。この窯は元来、屋根瓦を焼くための窯で小型のものでした。また大量のレンガを焼くために、山裾などの斜面に沿って階段状に築いた窯で、下から上へと余熱を利用する登り窯も使われました。19世紀半ばになって、高温でしかも大量にレンガを焼くことの出来るホフマン窯が登場しました。この窯はドイツ人のホフマンが考案したもので、窯がドーナツ状になっており一度点火すると火が順次隣のコーナーに移っていき、何日かするとリングを一回りして元に戻ってきます。こうすることで、火を消さずに限りなくレンガを焼く続けることができ、効率的に大量生産が可能となりました。現在では、機械化されたトンネル窯によって作られています。